ベトナム(ハノイ、ダナン)などアジア各国でオフショア事業を展開
Webシステム、アプリ開発のプロジェクトを、ベトナム(ハノイ、ダナン)、ミャンマー、スリランカ、シンガポールで開発を行っています。本記事ではアジアのオフショア事情について、主にベトナムにフォーカスしてお伝えしようと思います。
日本のオフショア委託先国No1 ベトナム
10年前は中国がオフショアシステム開発の主戦場でしたが、現在はベトナムが日本のオフショア委託先国として実に55%を占める、オフショアNo1国となっております。
ベトナムは国としてのバックアップもあり、その技術力や日本語人材・エンジニア人材の豊富さが武器となっており、常に優秀な人材が育っています。
人口も増加傾向にあり、1億人を越す勢いです。
毎年多くの理系大学出身のIT人材が輩出されています。
専門性の高いエンジニアの確保が日本よりもしやすいというメリットがあります。
そして、もっとも重要な点は「日本の市場」に向けてビジネスをしているベトナム人経営者が多いという点です。
つまり、日本で人気の開発言語を習得しようとするエンジニアが非常に多いということ。
Swift / Kotlin / ReactNativeを使った、AndroidやiOS向けのスマートフォンアプリ開発や、Ruby on Rails / Laravel / Vue / Reactなど、クライアント側、サーバー側どちらの技術開発にも対応しており、これらの技術は日本で非常に人気が高い言語、フレームワークです。
当然、レベルにもよりますが、日本で業務委託・フリーランスに依頼するとなると、こうしたスキルセットの人材は、悠に人月80万円を超えてきますし、正社員採用となると、よほどその会社に強みがない限り採用は困難を極め、採用担当者の業務負担が大きくなっています。
こうした背景から、日本のオフショア委託先国No1としてベトナムが君臨しています。
ベトナム人エンジニアの英語力
この点は諸説あり、賛否両論あるかと思いますが、私が現場で接する中では、日本人エンジニアの英語力と大差ないと思います。
ベトナム語での技術書の発行が充実していないために英語ができる人材が多いという味方もありますが、日本人のエンジニアも優秀な人が多く、英語力という観点では大差ないと思います。
基本的には、チャットベースであれば英語で仕事を進めることができるレベルが平均だと考えて良いでしょう。
ミャンマーのオフショア開発
首都ヤンゴンでは、2008年の民主化以降、外資参入したことにより、いわゆる建設ラッシュでした。
人口も6300万人を超え、オフショア開発において、アジア最後のフロンティアと言われており、期待が高まっています。
弊社はミャンマーでもいくつかの開発プロジェクトを回したことがあります。
結論としては、まだミャンマーの技術力はベトナムのには敵わないという所感でした。
実際に、50名ほどのエンジニアの履歴書を見たり、過去のソースコードのレビューを行いましたが、まだ難易度の高いプロジェクトにはアサインすることは難しいと感じました。
今後伸びていくことは間違いないと思いますので、弊社でも引き続き資本業務提携先を探しております。
しかし、2021年にクーデターが成功したことにより、国は混乱状態です。
インターネットは遮断され、現金を引き出そうとする市民がATMに押しかけています。
現状進出が難しい状態となってしまいました。
スリランカのオフショア開発
スリランカは人口2000万人ほどの国ですが、仏教国であり、非常に親日であること、そして何人ものエンジニアの履歴書を拝見する中で、その技術レベルの高さを知り、またオフショア開発において、他の進出企業が極めて少ないブルーオーシャンな市場であることから、弊社はスリランカのシステム開発会社「セイロンソフト社」との新業務提携を決めました。
日本からのオフショア委託先国として上位10位にも入っていない国ですが、実はスリランカはインドやヨーロッパのオフショア委託先国としては名があり、その実力はベトナムに引けを取らないのです。
シンガポール子会社について
弊社は2020年12月、シンガポールに完全子会社を設立することになりました。
現在でもベトナム、スリランカの混合チームでプロジェクトを行うことがいくつかある中で、今後もこうしたチーム組成を行っていくことが予想されます。
その時、日本人のPMが数時間の時差により、業務負荷が高まっていることや、コロナ真っ只中で移動はできないのですが、現場への移動が必要になった時の、フライト時間の長さなどが今後ボトルネックになることが予想され、弊社ではプロジェクトのマネジメント機能を、シンガポールに置くことにしました。
シンガポールから、ミャンマー、スリランカ、ベトナム、それぞれのチームのマネジメントを行うことになります。
フライト時間も、東京からの発着の場合、5時間~9時間かかっていたところを、シンガポールからの発着の場合、2時間〜4時間程度で移動可能となり、コロナ後に備えての進出となります。
また、これにより、英語でのプロジェクトチームを試験的に立ち上げました。
主にスリランカでは、上位の大学では英語で授業が行われるため、英語で会話できるエンジニア人材が豊富にいます。
日本国内での英語でのプロジェクト以外に、欧米諸国でのシステム開発プロジェクトを請け、全て英語でプロジェクトを行なう組織体制の構築を行っていくためのマネジメントセンターとなります。
まとめ
現状、アジアのオフショアNo1はベトナム、これは揺るぎない事実で、今後もベトナムがこのポジションを独占するでしょう。
ですが、中国からベトナムへ生産拠点が移動したように、また10年もすれば拠点がミャンマーやスリランカに移っていくことも考えられます。
そうした国際情勢の流れにスピーディについていけるよう、アジア各国のオフショア開発動向を今後も注視していく所存です。