Hinode LaboBlogプロジェクトマネジメントシンガポール子会社取締役 坂井が考えるグローバルチームでの開発の今後の可能性

シンガポール子会社取締役 坂井が考えるグローバルチームでの開発の今後の可能性

ここ1年ほどで各社ともリモートワークなど働き方が見直され、オフラインにこだわる必要がないことに気づいた企業が多くあると思います。その為、オフショアでシステム開発することを視野に入れやすくなった考えています。今後もオフショアでサービスを作る需要は増えていき、その中でも文化が近く地理的にもメリットがあるアジア近隣諸国でのオフショア開発は今後も増々注目されるのではないでしょうか?

なぜシンガポール?

HinodeLabo社は現在、資本業務提携先、アウトソーシング先含めて、ベトナム(ハノイ、ダナン)、ミャンマー、スリランカでシステム開発を行っている会社です。

1人のプロジェクトマネージャーが、さまざまな案件でアジア各国のエンジニアをマネージメントしており、各国の時差の違いにより、プロジェクトマネジメント側の負荷が大きくなっていました。

また地理的な距離も遠く、現地に渡航する際の手間隙にも大きな人的、資金的なコストがかかっていました。

これらを改善するために、プロジェクトマネージャーはHinodeLabo社シンガポール子会社にて、現地採用を行い、地理的な近さ、時差の少なさをメリットに、マネージメント業務を行うことができるようになりました。

フライト時間も、東京からの発着の場合、5時間~9時間かかっていたところを、シンガポールからの発着の場合、2時間〜4時間程度で移動可能となり、コロナ後に備えての進出となります。

また、これにより、英語でのプロジェクトチームを試験的に立ち上げました。
主にスリランカでは、インドやヨーロッパからのオフショア委託先国としては有名であり、上位の大学では英語で授業が行われるため、英語ができるエンジニア人材が豊富にいます。

日本国内での英語でのプロジェクト以外に、欧米諸国でのシステム開発プロジェクトを請け、全て英語でプロジェクトを行なう組織体制の構築を行っていくためのマネジメントセンターとしての役割も兼ねて、HinodeLabo社シンガポール子会社を設立することになりました。

アジアオフショア開発の今後

オフショア開発はクライアントと開発側双方にメリットがあります。
IT人材の不足に悩む日本側の会社に取って現在も人口が増えているアジア各国に開発拠点を持つことができるのは大きなメリットです。
そして、アジア各国の国々にとって人口減少が進んでいるとはいえ1億人いてGDP世界3位の日本のマーケットはまだまだ魅力があります。
双方のニーズが満たせるオフショア開発は今後も増えてくると思います。

現在も今後もカギになってくるのが双方の間に入って橋渡しができる人材です。
Hinode Laboの開発パートナーには日本で就労経験があるコミュニケーターやBrSEが多くいます。
彼ら彼女らのおかげていつも円滑にシステム開発をすることができています。
オフショア開発の需要が高まる中で希少価値の高いITもわかり日本語もできる人材の需要は今後もさらに高まって行きそうです。
次の取り組みを見据えて英語で開発チームと直接コミュニケーションをとるプロジェクトもいくつかあります。
今後のさらにプロジェクトが増えていった時にコミュニケーターやBrSEがフルアサインでプロジェクトがさばききれない時は私たちPMが直接英語で開発者とコミュニケーションを取り、受けることができるプロジェクト数を増やす取り組みをしています。
スリランカのチームとは完全に英語でやり取りをしています。

また、「製品の品質」と「不自由ないコミュニケーション」この2つの問題がクリアに出来ればオフショア開発に1歩踏み出す企業は増えていきます。
その為に大切なことはストレスフリーでコミュニケーションを取ることができることです。
その為、日本と時差が少なく、リアルタイムでコミュニケーションを取ることができるのはアジアでのオフショア開発は魅力的です。

上流工程の設計までできる人材をどう育てていくか

基礎となる技術知識をつけることは大前提にあります。
そのうえでいかにお客様と正しくコミュニケーションがとれるようになるか?
この点を鍛えて行く必要があります。

お客様には様々な知識を持っている人がいます。
ITに詳しい人、ITに関してはあまりわからない人。
上流工程を担当する場合お客様とのコミュニケーションは必須となります。
どうしても開発者の会話だと技術的な専門用語での会話が多くなります。
結局お客様に伝わらないという現象が発生することがあります。
その為、お客様と会話する際に「いかにわかりやすい言葉を見つけてコミュニケーションを取るか?」などコミュニケーション能力を磨いて行くことが大切です。 この観点は場数を踏んでいく中で学んでいけます。

もう一つはプロジェクトを円滑に進める為に自分の役割をしっかりと理解することです。
上流工程を担当する人はプログラマーを経験してきた人が多いです。
だから、自分で手を動かしてしまうことがあります。
プロジェクトを円滑に進めるためにはできるだけ手を動かさないように伝えています。

理由は2つあり、
1つ目は開発者のプライドを傷つけないためです。
特にオフショア開発の場合顕著なのかもしれませんが、自分の役割に対するプライドが開発者にあります。
その為、PMなどが余計な手を出すことは彼らのプライドを傷つけることになるので極力さけるよう伝えています。
開発者のモチベーションを保つの大切な仕事です。

2つ目はマルチタスクに対応する為です。
特にオフショア開発の上流工程の場合は一人で複数プロジェクトのPMをすることがあります。
その為、限られた時間に円滑にプロジェクトを進めるために自分がやるべきことをしっかり明確化して取り組むように伝えています。
開発者時代は任せるという価値観はあまりなかったかもしれませんが上流工程ではこの価値観を身に着けることも大切になってきます。

もちろん、大前提として出来る能力がないから任せるのではなく、できるけど任せるこのような考え方になります。
その為、上流工程を担当する人は時には開発者より技術に詳しくなっている必要があります。

Hinode Laboはシンガポールを拠点としてアジア各国の開発チームと仕事ができる非常に面白い環境です。
将来的にはシンガポールに限らずアジア中で一緒に開発ができる仲間が増えていったらいいなと思います。