グローバルPMになって、苦労していること – 竹本編 –
若くして24歳からグローバルPMとして仕事を始めた竹本。HinodeLabo社のグローバルPMに求められているスキルは極めて高く、SEやPM業務ができることはもちろん、個々が技術的に深い知見と経験を持つことが要求されます。転職して半年でどのようなことを経験し、学んだかについて執筆します。
ベトナムハノイでのインターン時代の経験
株式会社HinodeLabo(以下HinodeLabo)の竹本と申します。よろしくお願いいたします。
私は2017年に日系最大手のベトナムオフショア開発会社でエンジニアのインターンとして働いていました。業務としては
①現地の優秀な大学生と彼らの獲得を狙う日系企業採用担当者とのマッチングシステムの開発(Laravel)
②ハノイ工科大学IT学部の優秀生徒の選抜クラスへの日本語指導
③在日ベトナム人エンジニアのコミュニティの立ち上げ
などを行っていました。
現地の優秀な大学生と彼らの獲得を狙う日系企業採用担当者とのマッチングシステムの開発
現地での率直な印象としては20代前半でも優秀かつ意欲のあるエンジニアがとても多いということがあります。
私のプロジェクトチームが自社事業ということもあり、21~25歳のメンバー5名+日本人マネージャーで構成されていてそのうち4名がフルスタックエンジニアでした。
日本人マネージャーがしっかりとコントロールしていたということもありますがプロジェクトが炎上することもなくスムーズにできたというのは彼らの技術力を語る1エピソードになるかと思います。
また、インターン先の会社は当時1300人以上のベトナム人を現地で雇っていたのですがその多くが毎日のようにトピックを持ち出し合い、業務時間終了後にオープンスペースでセミナーを開催していました。
2017年の話なのでブロックチェーンや機械学習系の話題が多かったかと思います。もちろん企業の環境などにも寄ると思いますが、常日頃から自分を高めようとするベトナム人エンジニア達の熱心さがとても刺激的でした。
ハノイ工科大学IT学部の優秀生徒の選抜クラスへの日本語指導
業務としてはかなり特殊ですがインターン先の企業では現地のトップ理系大学(日本の東京工業大学のような大学)で入学後の生徒を選抜し優秀な生徒120人ほどに1~5年生(その大学は5年制)の間に日本語を教えて日本の企業へ就職、来日してもらうという事業を行っていました。
1~2年生には日本語の基本的な文法など、3~5年生にはIT日本語という内容で実際に日本のIT企業で働く上でのノウハウなど実戦形式で教えるようなカリキュラムでした。
日本人のインターン生は内定先が決定した4~5年生のスピーキングの補修という形で彼らと話をしていました。
彼らの多くは日本の文化に魅力を感じるというよりまだ日本の方が経済的な豊かさを求めて日本語の勉強を始めたという生徒が多かった印象です。
地政学的に見ればベトナム南部のホーチミンの優秀な生徒はシンガポールやオーストラリアの英語圏の先進国に興味をもつ生徒が多いらしく、ハノイはその点日本語習得の需要が高いという話を聞き納得もいきました。
在日ベトナム人エンジニアのコミュニティ立ち上げ
こちらは当初、「在日ベトナム人エンジニアの学生を募ってコミュニティを作ろう」という企画が社内で持ち上がり、インターン生で都内の大学生だったのが僕だけだったので参画したプロジェクトでした。
と言っても日本でITを専攻しているベトナム人学生の母数がそもそも少なかったので、実際に働いている在日ベトナム人エンジニアという枠でコミュニティを作ろうという趣旨でプロジェクトが進んでいきました。
結果600人ほどのコミュニティになりましたが、その多くが数年後には故郷のベトナムに帰りたいという意思が強いように感じました。
日本の若手労働者が不足している中で海外からの若くて優秀な人材を逃している現実について真面目に考えるきっかけにもなりました。
HinodeLabo社で学んだ技術
現在はHinodeLaboで(コードを書く)エンジニア業務5割、BrSE業務5割という割合で業務を行っています。
使用している言語,フレームワークは主にLaravel, Ruby on Rails, Vue.jsとなります。
ベトナムから帰国後にiOSエンジニアとしてスタートアップに勤めていたためwebの開発は約3年ぶりでした。
Ruby on Railsはそもそも触ったことがないので目下プロジェクトをやりながら勉強をしながらではありますがお客様の期待値に答えられるようになってきました。
Laravelはベトナムとインターンしていた頃と比べてアーキテクチャが変化していた部分があるのでキャッチアップを行いながら日々書いています。
個人的にはこれまでMysqlしか触ってきてなかったので他のDBにも今年は挑戦していけたらと考えています。
HinodeLabo社で学んだSE業務
オフショア開発と言うと普通はベトナム人のBrSEをチームに入れて開発を進めていくと言う形が多いですが、私の担当しているプロジェクトでは僕自身がお客様側とエンジニアとのBridgeになるケースが多いです。
HinodeLaboのSE業務で私が心がけていることは主に二つあります。
現地のエンジニアに自分の担当しているお客様のビジネスを理解してもらうこと
私がHinodeLaboで初めて担当したプロジェクトではこれを上手にできませんでした。
担当している海外のエンジニアに対して、「この表の2番目の列にはこの値を入れてください。
値の取り方は~~~」というような仕様書を作成していました。
エンジニアの業務はただ指定されたものを書けば良い役割になってしまいます。
試験に例えると問題の横にその解の公式が書いてあるようなものだと思います。
当たり前ですが、そのようなことをしていればエンジニア自身が考える機会をなくなります。
その結果として考慮が少し漏れている点が発生することもありました。
大事なことは一つ一つの値が何を意味していて、お客様にとってどのような役割をになっているのかがわかるようになることだと考えています。
言葉に語弊を招きますが、仕様書の粒度を多少荒くすることでエンジニアとのコミュニケーションが増え、彼自身もお客様のビジネスに興味を示してくれるようになりました。
その結果としてエンジニアとの議論が少しずつではありますが良い意味で議論することが増えました。
その議論にかける時間が開発に支障が出ないようコントロールし続けられればプロジェクトも良い方向に向かっていくと思います。
お客様の期待値コントロール
HinodeLaboでは単なる受託ではなく、お客様に寄り添いながらプロジェクトをより良い方向に持っていくためのコンサルティングのような業務も行っています。
顧客の事業全ては「顧客ファースト」にプロジェクトを円滑に進め、先方の要望を汲み取った上で技術に落とし込んでいけるプロフェッショナルとして今後もHinodeLaboで精進していけるよう努めていきます。
現地と日本で働いてみて
ハノイでエンジニアとしている時はベトナム人のチームメンバーと常に一緒にいて「アウトプットが早いなぁ」と漠然に感じていましたが、HinodeLaboでSE業務を行って見るとより一層早いと感じました。
それは経済が目下成長中且つ若い世代が意欲的という社会的文化が培っている賜物だと思います。
と言ってもやはり言語、文化的背景が違うことも考慮した上でHinodeLaboでは日本人の担当者がしっかりと架け橋となってお客様の満足度をあげていけるよう尽力していければと考えています。
最後までご覧いただきありがとうございました。