ベトナムでのビジネスにおいてやってはいけないこと
海外でビジネスをするということは、海外の文化やビジネススタイルなどを理解することが必要です。特にベトナム人はプライドが高く、ベトナムの文化を理解しないことは、ベトナムでのビジネスの失敗につながるのです。それではベトナムのビジネスにおいてやってはいけないことを説明します。
働き方が日本とは違う
ベトナム人の働き方への考え方は、日本人と大きく違います。ベトナム儒教の教えを重んじる国でありながら、年功序列ではなく欧米のような自分のスキルアップや給料のアップのために転職するケースが多い国です。年によっては、労働者の20%近くが転職をするケースもあるのです。
しかし逆に自分のスキルアップや給料アップのために、勤勉さや必要なスキルを取得するために努力をする特徴もあります。
経営側で考えると、スキルをレベルアップさせる環境や、十分な待遇をすることにより離職率が減り、高いレベルの人員を確保できるということもいえるのです。
逆にいえば、日本企業がこのベトナムの特徴を理解せず日本のやり方を押し付けてしまうようなことをしてはいけません。例えば「日本人の感覚で話す」「ベトナムの文化を理解していない」といったことはしてはいけないのです。
賃金コストを抑えすぎる
ベトナム人は、給料をあげるためにスキルアップをすることに力をいれています。そのため納得のいく給与待遇でないと、離職、転職につながります。
日本からは繊維産業や自動車産業といった製造業系がベトナムに進出することから、平均給与があがり外資系の日本企業に対して期待が高まっているのです。
もちろんただ賃金コストをあげるのではなく、日本人の社員、また周辺の企業と比較をして納得のいく賃金を提示することが重要です。
優秀な人材を雇うには賃金がかかるのですが、ベトナム人は優秀であり真面目な性格であることからその賃金に見合った働きをしてくれることでしょう。
また賃金をあげるだけでなく、職業訓練や研修などを企業は行い、スキルのあがった人材に対して賃金をあげることが必要です。このような環境ができあがっていれば他の企業と差別化でき、優秀な人材を得ることができるのです。
ベトナム進出が成功するかどうかは、ベトナム人材にかかっているといっても過言ではありません。以前のようにコストを安くしたいからアジアに進出するといった考え方だけでは通用しないのです。
ベトナム人を人前で叱らない
日本人は平気で人前で叱る人がいます。日本でもイヤな思いをするだけなのですが、ベトナム人はなおさら人前で叱ることをしてはいけません。自分たちのプライドをけなされたとし、離職につながるケースが多くなります。
またいきなり否定をするのではなく、なぜできなかったのかの理由を一緒に考え解決することが必要です。
ただ言葉が通じなかったのか、日本とベトナムの文化の差なのかを考える必要があります。またベトナムは日本と違いYESやNOをはっきりという国です。そのため人前でなく、一対一でしっかりと話し合う機会が重要になるのです。
最初は企業側も戸惑うかもしれないのですが、日本のようにはっきりとしない関係ではありません。コミュニケーションさえしっかりととれたら、勤勉なベトナム人は戦力になってくれることでしょう。
ベトナムは儒教の国ですが、ビジネスにおいての考え方は欧米の方が近いと考えてよいでしょう。
ベトナムの労働法を守らない事
ベトナムにはベトナムの労働法があります。ベトナムで起業をするからには、必ずベトナムの労働法を守らなければいけません。
なお労働法の会社都合退職には以下の様に記されています。
①頻繁な業務遂行懈怠
②一定期間以上の治療にも関わらず就労不能の場合
③天災等不可抗力自由により、労働者削減の必要性が有る場合
④一時勤務停止期間の終了後15日以内に勤務者が勤務地に表れない場合
⑤組織・技術の変更(整理解雇)、経済上の問題(整理解雇)、企業の合併等の場合
つまり日本以上に会社都合退職とはよっぽどの状況だということです。またベトナムでは一定の事由に該当する場合は、解雇手当を雇い主が支払い必要があります。しかしベトナムは職を頻繁に人が多く、解雇手当が該当するかどうかは、コンサルタントなどに相談することをおすすします。
いかがでしたでしょうか。ここまでベトナムでのビジネスにおいてやってはいけないことを説明してきました。最もやってはいけないのが、
・ベトナムの文化やベトナム特徴を理解しない
・ベトナムの労働法など法律を守らない
ことがあげられます。ベトナム進出をするということは、日本ではないということを再認識するようにしてください。相手のことを考えることができれば、おのずとベトナム進出成功に結びつきます。